行政・財政
高齢化・生活保護・子どもの数を一緒に見てみたら、意外なことがわかった
2026-09-11
以前、高齢化と生活保護の関係を調べた記事を書きました。今回はそこに「1人の女性が生涯に産む子どもの数の見込み(※1)」も加えて、3つのデータを一緒に見てみます。あわせて、「調べる期間をちょっとだけ変えると、結果はどれくらい変わるのか」も試してみました。これは船橋市が発表しているものではなく、このサイトが独自に調べた内容です。むずかしい言葉には※印をつけて、最後に説明をまとめています。
3つのデータを並べてみる(平成26〜令和2年度)
3つのデータが全部そろっている期間は、平成26年度から令和2年度までの7年分でした。
| 年度 | 高齢化率 | 生活保護率(‰) | 子どもの数の見込み |
|---|---|---|---|
| 平成26年度 | 21.9% | 14.23 | 1.36 |
| 平成27年度 | 22.6% | 14.26 | 1.39 |
| 平成28年度 | 23.1% | 14.20 | 1.37 |
| 平成29年度 | 23.4% | 14.23 | 1.32 |
| 平成30年度 | 23.7% | 14.16 | 1.34 |
| 令和元年度 | 23.9% | 14.25 | 1.25 |
| 令和2年度 | 23.9% | 14.18 | 1.26 |
高齢化が進むほど、子どもの数は減る傾向がはっきり出た
この7年分のデータで、2つのことがどれくらい一緒に動くかを計算してみました(この「一緒に動く度合い」を数字にしたものを、統計の世界では「相関(そうかん)」と呼びます(※2))。
- 高齢化率と子どもの数:高齢化率が上がると、子どもの数ははっきりと減る傾向がありました。
- 高齢化率と生活保護率:高齢化率が上がると、生活保護率はやや減る傾向がありました(弱めの傾向です)。
- 生活保護率と子どもの数:この2つには、ほとんど関係が見られませんでした。
「高齢化が進むと子どもの数が減る」という関係は、比較的はっきり出ています。一方、生活保護率との関係は弱く、はっきりしたことは言えません。
注意したいこと:期間をちょっと変えただけで、結果がひっくり返った
ここからが、この記事で一番お伝えしたいことです。以前の記事では、平成26年度から令和4年度までの9年分のデータで「高齢化率と生活保護率」の関係を調べ、「高齢化が進むほど、生活保護率もわずかに上がる」という結果になりました。
ところが今回、同じ2つのデータを平成26年度から令和2年度までの7年分(2年短い期間)で調べ直すと、「高齢化が進むほど、生活保護率はわずかに下がる」という、反対の結果になったのです。
これは、どちらかの調べ方が間違っていたわけではありません。そうではなく、「7年や9年という少ない数のデータで調べた関係は、調べる期間を2年ずらすだけで、増えるのか減るのかまで変わってしまうくらい、頼りないものだ」ということを示しています。データを使って何かを調べるときは、「数字が出たから正しい」と思い込まず、「このくらいの少ないデータなら、簡単に結果が変わってしまうこともある」と知っておくことが大切だと感じました。
高齢化の「進み方」自体は、ゆっくりになってきている
もう一つ、別の見方も紹介します。高齢化率が前の年からどれだけ増えたかを見ると、平成27年度は+0.70ポイントでしたが、その後は+0.50、+0.30、+0.30、+0.20、令和2年度には+0.00ポイントと、年々小さくなっています。つまり、高齢化率そのものは上がり続けていますが、上がる勢いは、だんだんゆるやかになってきているということです。「高齢化が進んでいる」という一言だけでは、この「勢いの変化」までは伝わりません。
この記事の限界について
今回の計算は、どれも7〜9年分という少ないデータにもとづくもので、強い根拠とするには十分とは言えません。また、2つのことが一緒に動いているように見えても、それが「片方が原因で、もう片方が結果になっている」ということまでは意味しません。今回わかった「期間によって結果が変わる」という点も、今回の2つの調べ方を比べてわかったことであり、いつでもこれほど不安定だと決めつけるものではありません。高齢化率・生活保護率・子どもの数の見込みについて、それぞれ詳しくは、出生率と高齢化率の記事、生活保護率の比較記事、前回の記事をご覧ください。
言葉の説明
- ※1 1人の女性が生涯に産む子どもの数の見込み:専門的には「合計特殊出生率」と呼ばれる数字です。
- ※2 相関:2つの数字が、どれくらい一緒に動く傾向があるかを示す言葉です。片方が増えるともう片方も増える関係、片方が増えるともう片方は減る関係、どちらもあります。
出典