行政・財政
船橋市は高齢化が進んでいるのに、生活保護率はほとんど上がっていない
2026-09-13
船橋市は、高齢化率(こちらの記事参照)と生活保護率(千葉県・全国との比較記事参照)を、それぞれ別のオープンデータセットとして公開しています。この記事では、2つのデータを同じ年度で重ね合わせ、両者がどう連動している(あるいは連動していない)かを見てみます。船橋市自身はこの2つを重ねたグラフを公表していないため、本記事はこのデータを使った独自の分析です。
9年間の並び(平成26〜令和4年度)
| 年度 | 高齢化率 | 生活保護率(‰) |
|---|---|---|
| 平成26年度 | 21.9% | 14.23 |
| 平成27年度 | 22.6% | 14.26 |
| 平成28年度 | 23.1% | 14.20 |
| 平成29年度 | 23.4% | 14.23 |
| 平成30年度 | 23.7% | 14.16 |
| 令和元年度 | 23.9% | 14.25 |
| 令和2年度 | 23.9% | 14.18 |
| 令和3年度 | 24.0% | 14.30 |
| 令和4年度 | 24.0% | 14.41 |
高齢化率はこの9年間、21.9%から24.0%へと一貫して上昇し続けています(+2.1ポイント)。一方、生活保護率は14.16‰〜14.41‰という狭い範囲の中で上下するだけで、明確な上昇・下降の傾向は見られません(9年間の変化はわずか+0.18ポイント)。2つの指標の相関係数(線形の関係の強さを-1〜+1で示す値)を計算すると0.23で、弱い相関にとどまります。
「高齢化=生活保護の増加」ではない
高齢者が増えれば生活保護を受ける人も増えるはず、というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、少なくとも船橋市の過去9年間のデータからは、そのような強い連動は確認できません。背景として考えられる要因はいくつかありますが(年金受給世代の生活水準、高齢者のコーホート(世代)ごとの違い、現役世代の保護率の動きが全体を相殺している可能性など)、このデータだけでは、どの要因がどの程度影響しているかを特定することはできません。
この分析の限界について
9年分・9点のデータでの相関係数は、サンプル数が少なく、統計的な強い根拠とするには不十分です。また、相関関係は因果関係を意味しません。生活保護率には、高齢化以外にも雇用情勢や制度運用の変化など、多くの要因が影響します。本記事は「2つの公開データを重ねるとどう見えるか」という紹介であり、確定的な結論を示すものではありません。高齢化率の詳しい推移は出生率と高齢化率の記事、生活保護率の県・全国比較はこちらの記事でご覧いただけます。
出典