行政・財政
求人は増えているのに、就職は増えていない?船橋管内の職業紹介データを読む
2026-09-28
船橋市の仕事探しの状況は、「有効求人倍率」で語られることが多いですが、ハローワークが公表する一般職業紹介状況には、新規求職者数・新規求人数・就職件数という、もう少し具体的な数字も含まれています。ここでは雇用ダッシュボードで使っているデータをもとに、求人と就職の関係を見てみます。なお、この統計は船橋市単独ではなく、船橋公共職業安定所の管内(船橋市・習志野市・八千代市・鎌ケ谷市・白井市の5市)の値です。
5年間で、求人は増え、求職者は減った
令和2年度から令和6年度までの変化は次のとおりです。
| 年度 | 新規求職者数 | 新規求人数 | 就職件数 | 求人÷求職者 |
|---|---|---|---|---|
| 令和2年度 | 28,299人 | 37,253件 | 4,747件 | 1.32 |
| 令和3年度 | 28,171人 | 39,320件 | 4,903件 | 1.40 |
| 令和4年度 | 27,848人 | 41,434件 | 4,596件 | 1.49 |
| 令和5年度 | 27,306人 | 41,745件 | 4,709件 | 1.53 |
| 令和6年度 | 26,948人 | 41,430件 | 4,692件 | 1.54 |
新規求人数は+11.2%(37,253件→41,430件)、新規求職者数は-4.8%(28,299人→26,948人)で、求職者1人あたりの求人数(新規ベース)は1.32から1.54へと上昇しています。求職者からみれば、選べる求人は増えている状況です。
ところが、就職件数はほぼ横ばい
一方で就職件数は、4,747件から4,692件へと-1.2%とほぼ横ばいでした。新規求職者数に対する就職件数の割合(就職率の目安)は、令和2年度の16.8%から令和6年度の17.4%へと、わずか0.6ポイントの上昇にとどまっています。また、新規求人数に対する就職件数の割合は12.7%から11.3%に低下しており、求人が増えた分がそのまま就職に結びついているわけではないことがわかります。
なぜ求人ほど就職が増えないのか
この統計だけでは原因までは断定できませんが、一般に次のような要因が考えられます。
- 求職者が希望する職種・勤務地・賃金と、求人の内容が合わない(ミスマッチ)
- 職業紹介を通さず、民間の求人サイトや転職エージェント、知人紹介などで就職が決まる人が増えている
- 1人の求職者が複数の求人に応募するため、求人数の増加が就職件数に直結しない
なお、ここでの「新規求人数」は年度中に新たに受け付けた求人の件数で、1つの求人で複数人を募集していることもあります。また、就職件数は職業紹介によって成立した就職の件数に限られ、市内で就職した人の全体ではありません。
この記事の限界について
本記事のデータは船橋市統計書「L 労働」(資料:千葉労働局)の一般職業紹介状況によるもので、5市を合わせた管内の値です。船橋市だけの数字ではない点、また職業紹介を経由しない就職は含まれない点にご注意ください。求人倍率やその推移は雇用ダッシュボード、雇用に関する解説記事でもご確認いただけます。