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行政・財政

船橋市の財政、借金は少ないのに「余裕がない」といわれるのはなぜ?類似団体62市と比較

2026-09-29

船橋市の財政、借金は少ないのに「余裕がない」といわれるのはなぜ?類似団体62市と比較

船橋市の財政は「健全」なのか、それとも「厳しい」のか。どちらの声も聞かれますが、実は指標によって見え方が大きく異なります。ここでは、総務省「財政状況資料集」(令和6年度)に掲載されている、全国の類似団体(人口や産業構造が近い自治体グループ)62団体との比較を見てみます。なお、類似団体は近隣市に限らず全国が対象で、柏市も同じグループに含まれています。

借金まわりの指標は、いずれも良好

  • 将来負担比率:マイナス(62団体中1位)。将来支払う可能性のある負債よりも、それに充てられる貯金などの財源のほうが上回っている状態です。
  • 実質公債費比率:3.6%(類似団体平均5.2%、62団体中19位)。借金の返済が家計を圧迫している度合いを示す指標で、低いほど良好です。

船橋市の市債(借金)の残高も、一般会計で令和2年度の約1,864億円から令和6年度の約1,632億円へと、5年間で12.4%減っています。令和6年度末の残高は、同年度の一般会計の歳出(約2,432億円)の約8.1か月分にあたります。

一方、「財政の硬さ」を示す経常収支比率は高め

経常収支比率は、人件費・扶助費・公債費など毎年必ず出ていく経費に、市税などの自由に使えるお金(経常的な一般財源)がどれだけ充てられているかを示す指標です。高いほど、新しい施策に回せる余裕が小さい「硬直的」な財政とされます。船橋市の令和6年度は97.3%で、前年度より2.5ポイント上昇し、62団体中53位でした。上昇の主な要因は、人件費・物件費の増加とされています。一般に、この比率は低いほどよいとされ、90%を超える自治体も珍しくありませんが、船橋市の水準は類似団体の中では高いほうに位置します。

そのほかの指標

  • 財政力指数:類似団体平均より高い水準(62団体中9位)ですが、低下傾向が続いています。市税収入などの自前の財源で、必要な行政サービスをどれだけ賄えるかを示す指標です。
  • 人口1,000人当たりの職員数:6.08人(62団体中17位)。類似団体平均を下回っており、効率的な人員配置といえます。

どう読み解くか

「借金が少ない(将来負担比率1位)」と「余裕がない(経常収支比率53位)」は、矛盾しているわけではありません。過去に借金を抑えて貯金を積み上げてきた一方で、毎年の経常的な支出(社会保障費や人件費など)が増えているため、新しいことに使える余地が狭まっている、と読むことができます。実際、一般会計の歳出に占める民生費(社会保障関連)の割合は、令和3年度の45.6%から令和6年度の47.9%へと上昇しています。

この記事の限界について

本記事の比較は、総務省「財政状況資料集」の指標順位に基づくもので、指標の高低が直ちに「良い・悪い」を意味するわけではありません。経常収支比率は、決算額の内訳や臨時的な経費の扱いによっても変動します。また、船橋市の財政を家計に例えた解説はこちらの記事、歳入・歳出・市債残高の推移は財政ダッシュボードでご確認いただけます。

次にできること

この記事で紹介した数字は、実際のダッシュボードでもっと詳しく、最新の状態で確認できます。